2018年1月25日(木)、「ドリーム・アーツ主催 第3回Sm@rtDB勉強会」を、恵比寿ガーデンプレイスSpace6にて開催いたしました。
この勉強会は「お客さまにSm@rtDBをよりご活用いただきたい!」という思いで立ち上げました。勉強会に参加いただくことで、以下のようなメリットを実感いただければと考えています。
- サービス利用に関する不安や疑問を解消し、具体的な解決策を得られる
- 一歩進んだより深い、応用的な利用方法を知ることができる
- 他社のリアルな活用事例について情報を得、気になった箇所を集中的に聞くことができる
- 同じような悩みを抱える他のユーザー企業のご担当者さま同士が交流できる
- サービス提供企業(ドリーム・アーツ)と直接会話でき、要望を伝えられる
第3回目となる今回は、はじめに2社のユーザーさまから「ひびき(R)Sm@rtDB」の活用事例をご紹介いただきました。続いて「Sm@rtDB」のプロダクトオーナーから、春にリリース予定の新バージョンを紹介させていただきました。その後は「Sm@rtDB」の課題・お悩みについてグループでディスカッション。最後は場所を変えて懇親会を行いました。大盛況で終了した「Sm@rtDB」勉強会の様子をレポートいたします。
ユーザー事例セッション その1
「自分たちで企画運営する運用」
ユーザー企業Aさま(利用CL数:Sm@rtDB 約500CL)
弊社では、Notesと併用して「Sm@rtDB」を利用しております。「Sm@rtDB」導入にあたっては、社内の全部門が、それぞれの業務改善のために簡易なアプリケーション開発を自ら行える環境を用意し、業務改善を活性化させることを目的に掲げました。また、自部門で高望みせず必要最低限の開発のみを行うため、実践的な機能を短時間で開発できること、開発部門の繁閑に左右されず、臨機応変にシステムの構築・改修が可能となることを効果として期待し、「Sm@rtDB」の運用を開始いたしました。
「Sm@rtDB」導入前のアプリ開発では、ユーザーからの要望が曖昧であったり、あれもこれもすぐに欲しいだったりとキリがなく、ユーザー側と開発側との間に軋轢が生じてしまうという課題がありました。なにか問題が発生したとき、作る側と使う側が分かれていると互いに他責的になってしまいます。そこで「Sm@rtDB」運用においては、自責思考を持って自ら行動を起こせる社員にのみ環境を提供する、という方針で運用を行うこととなりました。
活用の基本方針
- なにを、どうすることで、どういう効果が期待できるか、各部門で用途を企画
- 費用対効果が認められた場合のみライセンス購入・開発着手
- 企画部門による社内事例の広報や勉強会の開催
こうした運用のなかで、「Sm@rtDB」活用により業務改善が実現した事例が「案件管理システム」です。 弊社では案件を進めるにあたり、とりまとめ部門が複数の他部門に対し、数ある必要情報の確認や作業要請、進捗確認を行います。「Sm@rtDB」導入前は、こうしたやりとりに紙書類とメールを使っていたため、状況の確認に時間がかかったりメールを見落としたりと、改善が必要な状況となっていました。
そこで「Sm@rtDB」を活用し、必要な情報を一元管理できる作業依頼のワークフローを作成しました。 これにより報告漏れやメールが大幅に減少。情報を探し回る手間もなくなり、業務を効率化することができました。 さらにこの成功事例から適用領域を広げ、とりまとめ部門と営業部門の間における見積もり作成依頼においても、「Sm@rtDB」の活用をはじめました。細かな確認なども「Sm@rtDB」上でやりとりし、履歴を残すようにした結果、受注内容の見える化が実現。営業部門から依頼を受けたとりまとめ部門での見積もり作成が容易になりました。
まだワークフロー使用時のルールの徹底といった点などに課題があるものの、「Sm@rtDB」利用者は増えてきており、成功事例もできました。今後も社内における普及に努め、活用を促進していきたいと思います。
ユーザー事例セッション その2
「ストリクトなSm@rtDB運用」
ユーザー企業Bさま(利用CL数:Sm@rtDB 約30,900CL、INSUITE 約30,900CL)
弊社は、「INSUITE(R)」導入の翌年、旧イントラツールから「INSUITE」に移行できない情報の救済を目的に「Sm@rtDB」を導入しました。ただし、社内でも積極的に利用を薦めているわけではなく、ガバナンス強化の志向を持ちつつ、非常に緩やかなペースで導入を進めております。
この志向の背景にあったのは、従来のシステム運用体制からの反省です。NotesやSharePoint2003の運用においては、だれでも非常に簡単に操作できてしまうことから、属人化や不要なDBの増殖、情報セキュリティや全体最適といった点に対する意識の欠落などの問題がありました。
そこで「Sm@rtDB」導入に際しては、IT部門が関与することで「安全に」かつ「最適な」効率化の実現を追求することとなりました。今回はその「ストリクトなSm@rtDB運用」についてご紹介いたします。
運用方針
- 「Sm@rtDB」の存在をアナウンスしない
- ユーザーの自由にさせない
- 共通データ形式での利用に限る
- ユーザーが費用負担したうえで利用し、経営陣に対する説明責任も担わせる
これらの方針のもと、IT部門がユーザー部門の要望や要件をしっかり理解したうえで、「Sm@rtDB」によりシステム化することが最適である、と判断できる案件のみ対応するという体制をとっております。また、ユーザーに対しても、費用やエンドユーザーへの説明を担うこと、IT部門のサービスレベルなどについて確認し、同意した場合のみ利用できるというルールを設けました。
さらに以下の点を徹底することにより、ガバナンス強化を図っております。
ガバナンス強化策
- マスターデータを定義し、データフォームを統一する
- 権限の付与状況・コンテンツの要/不要について、定期的な棚卸しを実施する
- 極力、標準機能のみで実現することを志向
- 標準となる表記方法があるものは、必ずこれを使用する
私たちが目指しているのは、ユーザーの求めるシステムを作ることではなく、あくまでも「IT部門が持つ道具のひとつを使って、ユーザー部門が主管する業務を支援する」ことです。
こうしたストリクトな運用体制を敷くことで、弊社サービスの向上や、新たな価値創造につながる活用が可能となりました。 この考え方は、「Sm@rtDB」に限らず、すべてのシステムに共通して必要だと、弊社では考えています。
しかし効果が出ているとはいえ、いつまでもこの「ストリクトな運用」ばかりを続けていくべきかという疑問もありますので、より効果的な「Sm@rtDB」の活用を目指し、今後の運用体制について考えていこうと思っております。
「Sm@rtDB」春バージョンの新機能紹介
2018年春にリリース予定の「Sm@rtDB」新バージョンの機能を、「Sm@rtDB」プロダクトオーナーよりご紹介させていただきました。
春バージョンでは「Sm@rtDB」をさらに便利にご利用いただけるよう、機能改善を予定しております。ぜひご期待ください!
課題ディスカッション
講演のあとは、ご参加いただいた皆さまにグループに分かれて「Sm@rtDB」利活用促進のための課題とその解決策について、ディスカッションしていただきました。そのなかで取り上げられた課題と、結論として出た解決策を一部ご紹介します。
【課題1】
開発を現場に任せたいが、運用をうまく回すにはどうすればよいか。
【解決策1】
ユーザー企業さま
弊社では、導入時にドリーム・アーツ開催の基礎講座を実施しました。講座後に出た課題についてはドリーム・アーツに相談し、運用をブラッシュアップ。ドリーム・アーツから提供されたマニュアルも展開して、エンドユーザー・コンピューティングで回すことができています。
ユーザー企業さま
弊社では、情報システム部門が開発を担当しています。ノウハウを1ヵ所に集中することで質を担保でき、異動に伴ってノウハウが引き継がれない、といったことの対策にもなっています。
【課題2】
業務課題意識を持つメンバーに対して、どのように権限を開放していくのがよいか。
【解決策2】
ユーザー企業さま
現場にいる業務課題意識の高いメンバーに、システム部門に関わってもらうというのも方法のひとつです。そのメンバーが「Sm@rtDB」を使って課題解決し、そこで学んだ成功事例を横展開していく。システム部門のメンバーが現場に呼ばれて赴くばかりではなく、現場のメンバーとシステム部門の垣根を取り払い、両者の距離を近づけることがポイントだと思います。
【課題3】
「Sm@rtDB」の利用方法や運用ルールが、きちんと社内やグループ他社に共有・展開できていない状況をなんとかしたい。
【解決策3】
ユーザー企業さま
テンプレートを用意して「Sm@rtDB」の利用を促進すること。成功活用例を現場で横展開すること。弊社では、ノウハウを持っている側から、広報活動などを通して積極的に「Sm@rtDB」の認知拡大を進めています。
アンケート結果
勉強会全体について
- 参加者の声
-
- ディスカッションで他社の方との交流を持つことができてよかったです
- 社内のアイデアだけでは行き詰まるところもあったので、参考になりました
- 業務効率向上のための活用事例を生の声で聞くことができ、大変有意義な時間となりました
ユーザー事例セッション その1 について
- 参加者の声
-
- 認知度の向上や利活用促進に社内広報活動が大切だと理解しました
- 具体的な運用方法について参考になりました
ユーザー事例セッション その2 について
- 参加者の声
-
- 運用・管理のための具体的なルールが参考になりました
- 情報の価値を高めるためのマスターデータバインダ、自社でも実施したいです
第3回を迎えた「Sm@rtDB」勉強会も、ほかのユーザー企業さまと課題感や活用方法を共有できたことへのご満足の声を、参加された方から多くいただきました。ディスカッションのあとは懇親会も開催し、参加者同士、ディスカッションだけでは語りきれなかったこともお話しされていたようです。
「Sm@rtDB」勉強会は今後も継続して開催してまいります。「Sm@rtDB」春バージョンもどうぞお楽しみに!